TVアニメ『これ描いて死ね』の放送が、いよいよ本日7月3日(金)よりスタート。放送開始直前のタイミングで、安海相役・関根明良さんとポコ太役・日髙のり子さんの対談が実現した。初共演となる2人だが、共に『これ描いて死ね』の世界におおいに魅了され、共感している様子。お互いの役柄についてはもちろん、声優として大事にしていることや、落ち込んだときの対処法についてなど、存分に語り合ってもらった。
━━ TVアニメ『これ描いて死ね』放送直前ということで、お2人に作品の魅力をたっぷりと語っていただければと思いますので、よろしくお願いします。
関根・日髙:よろしくお願いします!
━━ まず日髙さん、原作漫画の『これ描いて死ね』にはどんな印象を持っていらっしゃいましたか?

日髙:「漫画を描く」ということが、知ってるようで知らなかったっていうところがあるので、そこを見られたことが面白かったです。それと、「好き」っていうことに対してまっすぐに進んでいく相ちゃんの姿がすごく眩しい印象でした。(アニメ化に際しては)とよ田先生の原作本は、読むだけですべてが伝わってくるぐらい絵も美しいですし、素晴らしいんですけれども、アニメーションになって声がついて、そして絵が動くというところで、「これが動いたらどんな風になるんだろう?」というワクワクが止まりませんでした。
━━ 今回、演じられるキャラクターが「ポコ太」ですね。
日髙:はい、そうです。今日はですね、ポコ太にちなみまして、ポコ太ヘアということで、タヌキ耳をつけてまいりました。伝わっておりますでしょうか?
関根:めちゃくちゃかわいいですね!
日髙:「どうして今日お団子をつけてきたんだろう?」って思ったでしょ?
関根:お耳なのかな?と思ったんですけど。改めて、「実はポコ太モチーフでこの髪型にしたんだよ」って言われているそのお姿がかわいくて、ずっとキュンキュンしていました。
━━ 日髙さんは、ポコ太を演じることになってどのように思われましたか?
日髙:めちゃくちゃうれしかったです。まず、ポコ太のようなキャラクターを演じるのもすごく久しぶりでしたし、相ちゃんのイマジナリーフレンドということで、とにかくずっとそばにいて、ずっと励ますという前向きな言葉を言い続けるっていう、もうセリフを言うだけで自分自身が元気になっちゃうようなキャラクターなので、演じられると聞いてうれしかったですね。
━━ 関根さんから見て、日髙さんのポコ太はいかがですか。
関根:本当にいつも温かくて、肯定するだけではなくて。「やってみろよ」と、背中を押してくれて。相ちゃんは原作である「ロボ太とポコ太」が大好きで、そのポコ太を自分の中に宿し、漫画にもらった力を一歩を踏み出すときの勇気にしている、というイメージ。日髙さんのポコ太にいつもきっかけをもらっているんだなと思うと、「ポコ太と出会えてよかったね、一緒にいられてよかったね」と、お声を聞くたびに思います。

━━ 日髙さんからご覧になって、主人公・安海相はどのような人物でしょうか。
日髙:とにかく前向きな印象ですね。 自分の好きなことに真っ直ぐというところもありますし、落ち込むこともあるんですけれど、立ち直りも早くって。相ちゃんみたいな子がそばにいてくれたら、自分自身も元気になれるような、なんかそんなキャラクターだなと思います。とにかく素直ですよね。そこが一番の魅力かなと思っています。
━━ ところで、お2人は過去に共演経験もあるのでしょうか?
日髙:いえ、今回が初共演なんです。
関根:今回初めて現場でお話しさせていただいて、本当に私はもうただただ「ひゃーっ!うれしい!」ってなっていました。一緒にお芝居ができることもそうですし、ポコ太にいつも背中を押してもらっている相ちゃんのように、収録で同じマイクに入らせていただいた際に、日髙さんが私の背中をポンッと優しく支えてくれて、「一緒に入ろう」って導いてくださって。あ、相ちゃんはいつもこの安心感を感じているんだなと。私自身も実感しながら収録をさせていただいていました。現場をいつも温かい空気で包み込んでくださって、本当に感謝でいっぱいです。
━━ 先輩としての貫禄みたいなものも感じられました?
日髙:貫禄(笑)。
関根:一番感じられるのは優しさですね。
日髙:なるべく貫禄を消して、若い方たちと友好な関係を築いていきたいというのが私の目標だったので、出さないように心がけてきたような気がします(笑)。でもやっぱりアニメーションって、一つのスタジオの中で全員一緒に収録をするので、スタジオの中の雰囲気っていうのはものすごく大切だと思っていて。私も若い方たちの中に自分が1人で入るときもありますし、そうしたときに自分が若かった頃そうだったように、先輩に気を遣うっていうところがみなさんの中に見受けられたりすると、自分の持っている力を十分に発揮できるような、そういう空気感の中でお仕事してもらいたいなという気持ちがすごく自分の中に強くて。というのは、自分が若い頃に緊張が勝ってしまって、うまくできなかったこともたくさんあったような気がするんですよ。なので、なるべくリラックスしてキャラクターに集中してもらえるような、そういうスタジオの空気にはしたいなという気持ちは私の中にありました。
関根:本当にいつも。優しく包み込んでくださっていました。
━━ 関根さんがこれまでの日髙さんの作品から受けた影響とか、感じていることはありますか?
関根:ポコ太が小さいキャラクターというところもあって、日髙さんのポコ太からいつも元気をいっぱいいただいているのですが。私が小さい頃から見ていた大好きな作品の(日髙さんの)お役がちょっと厳しめの…
日髙:そうなんですって。すごく趣味が渋好みなんですよ。私がやっていた『犬夜叉』という作品の中の桔梗という役があるんですけど。
関根:小さい頃から大好きで、桔梗様を応援していて。当時は髪型を真似たりとかもしていたので、日髙さんは美しいイメージが強くて。なので、今回ポコ太でご一緒させていただいて、本当にかわいらしくて元気いっぱいで感動しました。休憩中には早見(沙織)さんと、「かわいいね、かわいいね」って小声で感想を言い合っていました(笑)。ポコ太が出ない回は、「なんか寂しいね」ってずっとおしゃべりしていたくらい、本当に元気とかわいらしさを浴びさせていただきました。
日髙:ありがとうございます。うれしい。
━━ 以前、関根さんにポコ太という存在、所謂「イマジナリーフレンド」について質問したときに、小さい頃は悩んだときにペットのインコに話しかけていたことをお母さんから聞いたとおっしゃっていました。日髙さんにはイマジナリーフレンドはいましたか?
日髙:私はもしかしたら、イマジナリーフレンドって持ったことがなかったかもしれないですね。かわいらしいキャラクターのぬいぐるみを持っていて、何かドキドキするとそれをそっと出して握りしめたり、自分がどこかに行ったときに、そのキャラクターにも見せてあげたり、そういうマイキャラクターみたいなぬいぐるみとかを持ってらっしゃる方っているじゃないですか?今回この作品に携わってみて、相ちゃんとポコ太の関係を見ていて、そういう方たちってすごく心が安定していたんだろうなって思って。私は何でも自分の中で解決しようと思っちゃっていたんですけど、そういうものに頼るという世界もあってもよかったなと、この作品に関わって強く思いました。
━━ 悩んだときにペットに話しかけていたという関根さんのエピソードはいかがですか?
日髙:鳥に話しかけていたんだよね?
関根:はい、そうです。
日髙:だからほら…
関根:(鳥の鳴き声のような高い声を出す)※ぜひインタビュー動画でご覧ください!(動画)
日髙:これ、“関根明良発声法”なんですけれども、私、長くこのお仕事していますけれども、収録前にこの発声法で声を整える声優さんを初めて見たっていうか、たぶんこの原点はそのペットの小鳥ちゃんとお話ししていたところからじゃないですか。
関根:あはははは(笑)。発声法は先生に教わったところではあるんですけれども、でも高い声とか、小鳥と喋っている声真似はよくしていましたね。口笛とかも。鳥から返事がくるとすごくうれしくて。ただ、お話するときは悩み相談が多かったかなと。母親がかまってくれない時など「私がママの子供なのに!」っていう、嫉妬を話したりとか(笑)。
日髙:心の中にあるモヤモヤを言葉で出すことによって、すごく心の安定が図れていたんじゃないかな。それを飲み込んでしまうと、自分の中で熟成しすぎておかしなことになってしまったりするから、良かったんじゃない?
関根:本当に大切な存在です。
━━ この作品のテーマは、ものを創ることですけれども、創作という意味でいうと、声優さんは既に原作でイメージが定着しているキャラクターを演じることも多いお仕事かと思います。そこにご自身の個性や色付けをするときに、どんなことを考えているか教えてください。
関根:私はまずオーディションの際に原作を読んで、表情に気をつけるようにしています。シーンの流れの中の1つの表情ではあると思うのですが、この表情に至るまでの感情の流れや、このコマとこのコマの間のきっかけ部分を、漫画から取り入れていこうと気をつけています。
日髙:ポコ太に限らず、いろんな役でということになりますと、まずそのキャラクターがどんな性格なのかなっていうところと、何が好きで何が嫌いで何を言われるとうれしくて、何を言われたら嫌だと思うのかとか、そういうところを踏まえてセリフを読むようにして、あとは関根さんがおっしゃったのと同じように、描かれている絵から受け取るメッセージみたいなものを自分の中に取り込んで、それを全部ミックスして作り上げるっていう感じですかね。今回のポコ太で言いますと、セリフの度に色々なポーズをとりますので、その動きに合うような言い方と、相ちゃんに寄り添うっていうところがメインなので、そこを大切に作っていきました。
━━ 関根さんが安海相の声を担当することが発表されて以降、他のキャストの方々が発表されたり、映像が解禁されたりなど、ここに至るまで作品のアニメ化がより具体的に世の中に広がってきましたよね。その反響を受けて改めて思ったことや、感じたことってありますか?
関根:どんどん新しいキャストのみなさまが発表されていって、主題歌だったりPV の完成された映像だったりがお届けされていくのがとても嬉しくて。「みて!みて!」、「すごいんだよ、すごいんだよ!」みたいな (笑)。スタッフのみなさんも、キャスト一同もこの作品に愛と情熱をもって作品を作り上げているということをとても感じられる現場だったので、やっとお届けできる日が来た!とずっとワクワクしていました。本当に素敵な作品なので、早くお届けしたいという気持ちで今もいっぱいですね。
━━ 今作のように、夢に向かって努力するとき、挫折したり喜びがあったりいろんなことがあると思うんですけども、日髙さんがこれまで活動されてきた中で、ご自分で夢に向かっていくときに大事にしていたことや、今も大事にしていることがあれば教えていただけますか。
日髙:「諦めない心、くじけない心」やっぱりそこが必要かなって思いますね。諦めずに自分の夢に向かって進んでいく。そうすれば、スピーディーに階段を駆け上るようにいくときもあれば、ずっと平坦な道だったり、ときには坂道で降りてしまったりみたいなところもきっとあると思うんですよね。でも、そういうときでもくじけずに歩み続ける、一歩でも先に進めるみたいな気持ちを持ち続けることが一番大切なのかなって思います。
━━ そういうことを、ご自分に言い聞かせたりすることはよくあるんですか?
日髙:あります。それに、自分のことでいうと、若いときはこの先の将来、自分自身がどうなっていくのか、一つの作品に参加できたとて、次の作品に出られるっていう確証はないわけで、そんな中で不安を抱えながら生活していた日々もありました。そのときにはもう本当に、ガラスのような自信みたいな感じで。「自分はいけるんじゃないか、いけないんじゃないか、いけるんじゃないか、いけないんじゃないか」の繰り返しとか、常に崖っぷちにいるような気持ちで、「日々頑張り続けないとダメなんだ」って思った頃もあったんです。それがいつか自分が経験を積んでいく中で、ベテランと言われるような年齢に達したときに、その不安はなくなるのかなと思ったら、結局ずっとあるんです。自分のやった演技が大丈夫だったかなとか、そういうドキドキみたいなものは結局消えることはなくて。だからこれはもしかしたら性格なのかなっていう気もするんだけれども(笑)。でも、私の周りを見ていても、私と同世代の人でもみんな悩んだり苦しんだりしているので、たぶんね、ずっと続くんだろうなって思っていて。そういうときにちょっと休憩をとってもいいから、またエネルギーを自分の中に蓄えてチャレンジしていく心を持ち続ける。なんだかんだ言って、私はそれを持ち続けられたから、今こうしてお仕事できているのかなって、そういうふうに思います。
関根:私も本当に不安に思いがちで、その気持ちはいつか消えるのかなと思う事も多いのですが、今、消えないとお聞きして、だったら私なんかが悩むのは、それはそうだなって(笑)。
日髙:あはははは(笑)。
関根:これからも試行錯誤して悩み続けなきゃなと思いました。
日髙:ただね、経験値だけは増えるので、なんとなく解決策はちょっと見つかったりもするから。
関根:はい、見つけていきます。
━━ では最後にひと言ずつ、作品の魅力、見どころを視聴者の皆さんにお伝えください。
関根:この作品は本当にたくさんの輝きが詰まった作品だなと思っております。自分が今見たり読んだりしている状況次第で、学生側と、大人側のどちらに注目するかなども変わってくるかなと。どのキャラクターに視線を当てても、本当に胸が熱く、そしてあたたかくなる作品ですし、本作で描かれる伊豆王島の豊かな瑞々しい自然は夏の暑さを吹き飛ばしてくれると思いますので、夏の疲れをこの作品に癒されながら楽しんでいただけたらと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
日髙:本当に魅力的なキャラクターがたくさん出てきて、1人1人がものすごく前向きなんですよね。何よりも仲間たちがものすごく仲良し、それにすごく癒されるなという気持ちもあります。そして大人たちも大人たちなりに、やっぱり学生時代には悩んだり苦しんだりしたことがあって。 そして、その思い出を今もなくさずに胸の中に留めておいて、自分の生きていく力にしていくというか。だからその大人たちも子どもたちも交えての群像劇っていうか、その心の動きみたいなものにすごく惹かれます。あとはやっぱりこのポコ太のイマジナリーフレンドという存在ですね。それがどれだけ相ちゃんに力を与えているのかっていうところも含めて、いろんなことで悩んだり疲れてしまったりするときがみなさんあると思うんですけれども、この作品をご覧いただくと、たぶん心が癒されたりすると思います。それは伊豆王島の自然だったり、それぞれの生き様だったりとかするんですけれども、ぜひみなさん癒されて、そしてこの相ちゃんたちのグループの仲間になった気持ちで、このアニメーションを見ていただけたらうれしいなと思います。ぜひご覧ください。
取材・文:岡本貴之
これまでのインタビュー記事はこちら