SPECIAL スペシャル

ステイシー・マーティン(主演)インタビュー

映画の中に描かれるルイーズの体験で、最も惹かれたことは?

彼女の特異性です。彼女は若くして、私たちの大半が決して直面することのない状況に置かれました。
この映画はテロリストによる襲撃について伝えると同時に、過酷な状況に置かれた18歳の少女の体験について、このような暴力にどのように向き合うかを描いています。

ルイーズは、外で何が起きているか理解できずに、ホテルの部屋に一人閉じ込められています。
このような役をどのように演じましたか。

ルイーズの役では身体的な表現がとても大切でした。自分の部屋ではないホテルのスイートルームで、暗闇に閉じ込められている。
すべての要素が強烈で明確なものでしたので、演技する上で支えになりました。状況に向き合う彼女の姿勢は、直観的なものです。音の重要性も役を演じる上で参考になりました。
爆発音ののち静けさが訪れ、ホテルは平静を取り戻したかのようです。でもこれも、再び緊張が高まるまでの間です。このようにコントラストの激しい状況を演じることは、興味深いものでした。

撮影セットで、襲撃音が聞こえたのですか。

幸運にも聞こえたのです。襲撃を再現した様子を録音した効果音がなかったら、爆発が起きた際の演技はできなかったと思います。
撮影スタッフが、両親の声を録音したものも聞かせてくれました。つまり私は全く独りぼっちだったわけではないのです。
ルイーズの周りの空間、そして彼女がその空間でどのように動き回るかについて、台本をじっくり読んで掘り下げました。ドアを閉める。明かりを消す。音を聞く。このような細かい動作の一つ一つがとても大切でした。

テロ襲撃の犠牲者のインタビュー記事を読みましたか。

いいえ。既成概念にとらわれてこのストーリーの特異性を台無しにしたくなかったのです。
監督やルイーズ本人とはじっくり話しました。少女ルイーズを体現して、人間味のあるレベルに到達したいと思ったのです。
撮影に臨む時点では、私の中で成長させ、ふくらませるものをたくさん持っていました。あくまでも自然にですが。

ルイーズは特に父親と話したがっているように感じましたが。

彼女は父親の態度に驚いたのです。父親が自分をそこまで信頼しているとは思っていませんでしたし、襲撃中、2人の結びつきはとても強いものでした。
母親のほうがルイーズと仲がよかったのですが、襲撃中は父親が重要な役割を担いました。
もちろん母親の行動も感動的でした。この状況に対して母親は無力でしたが、ルイーズとのつながりは固く、彼女は歌い始めるのです。
ばかげていると同時に、とても胸の締めつけられる場面です。

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