たりないふたり
『たりないふたり』仕掛人 安島隆さん 特別インタビュー【第1回/全3回】
VIDEO
COLUMN
2012年に日本テレビ深夜枠の番組でカリスマ的人気を誇り
ドラマ『だが、情熱はある』をきっかけに再び注目を浴びた『たりないふたり』。


南海キャンディーズ山里亮太とオードリー若林正恭の二人を引き合わせた
総合演出 安島 隆さんに特別インタビュー。


『たりないふたり』立ち上げ当時のお話、ドラマ化決定のときの心境、
これからの「たりないふたり」についてなど、貴重なお話を全3回にわたって掲載。
『たりないふたり』仕掛人
安島隆さん 特別インタビュー【第1回】
 ゴルフとファミレス

まずは『たりないふたり』立ち上げ当時のお話から・・
ライブしか思いつかなかった―――
山ちゃん若林くんの2人を会わせて、何かやりたいって気持ちになったときに、ライブしか思いつかなかったんですよね。というよりライブをやりたかった。で、やってみたら思っていたよりもはるかに手ごたえがあったんです。

だから、たまたま自分がテレビ局員で、こんなすごい2人がいて、ライブというコンテンツが成功して、これをテレビまで持っていかなくてどうするんだ、テレビにしたらより多くの人たちに届けることができて刺さるかも、みたいなことは思いました。そこから、ライブをテレビでやらなきゃ、でもお金がない、1回の収録で3~4本は撮らないとって、全部その場その場でしたね。


ライブは仕事じゃなくて趣味―――
当時は2人のライブを仕事としてやることができなくて、ただ趣味でやってましたね。好きなことがお金にならないってまさに趣味じゃないですか。2人の話を聞いてておもしろいし、何か投げたときにそこから生まれる2人の化学反応とかもおもしろいし、単純におもしろい場にいたいというだけのことで、仕事につなげられるとも思ってなかったですし。

20代の頃にも、バナナマン、ラーメンズ、おぎはやぎの『君の席』というコンテンツを作ったんですが、そのときなんて会社での所属は労務部でしたからね。なので、ライブのことは基本的には会社でひた隠してました(笑)。でも何回かバレたりしたんですよ。


バナナマン・ラーメンズ・おぎやはぎ ライヴ!! 君の席-SPECIAL SIX SEATS-

僕、当時から生意気だったので(笑)、上の人から何か言われても、「皆さん趣味で土曜とか日曜とか朝ゴルフ行くじゃないですか。ゴルフでご飯食べたりしながら交流を深めたりするわけじゃないですか。僕も土曜や日曜にファミレスでドリンクを飲みながら芸人さんたちと交流を深めて楽しんでます。それと同じだと考えてもらえますか」って。すっげー嫌な顔されました(笑)。

一緒にやると人格破綻しちゃう―――

当時は仕事と直結しなくて済んだからできたのかもしれないですね。『君の席』のときは、平日朝から夕方まで仕事をして、残業もないし、土日も休みなので、そこで完全に切り分けて、隙間の時間で全部やってて。確かに、ライブのことを考えちゃいがちにはなるんですけど、時間はあったので、そこは切り替えられましたね。

でも、深夜にテレビでやった『たりないふたり』の番組が終わって、その後『得する人損する人』(日テレ系/2013年~2018年放送)をやってるときって、僕、『たりないふたり』に一切触れてないんですよ。脳みそと思想が違い過ぎて。

幅広くいろんな人に喜んでほしいっていうゴールデンタイムのテレビコンテンツと『たりないふたり』って全然違うので、一緒にやると人格破綻しちゃうんです。『たりないふたり』がおもしろいと思ってる人間のままゴールデンタイムの番組を作ろうとしてもうまくできない。時間的な問題ももちろん生じるでしょうし、当時の自分のキャパだと、やろうとしても結果的にできなかったと思います。

関連作品はこちら


VAP STORE

VAP STORE

VAP STORE

VAP STORE

上記の対象商品をご購入いただいた方に
先着で「オリジナルロゴステッカー」をプレゼント!

※対象期間:
2023年12月19日(火)~ 特典がなくなり次第終了

安島 隆(あじま・たかし)1973年東京都生まれ。 1996年日本テレビ入社。
ゴールデン帯から深夜帯、ライブまでヒット企画を手がける異端の演出家。
南海キャンディーズ山里亮太とオードリー若林正恭のユニット「たりないふたり」はライブと番組連動の先駆けとなり、解散ライブはお笑い単独ライブ配信史上最多の 5万5000人が視聴。
山里・若林を描いたドラマ『だが、情熱はある』ではふたりをつなげたプロデューサー役のモデルに。
他にもバナナマン・ラーメンズ・おぎやはぎの伝説的なユニット「君の席」、「潜在異色」など。また「得する人損する人」「解決!ナイナイアンサー」「ヨロシクご検討下さい」「コレってアリですか?」など、ヒット番組多数。
2023年9月、初の著書「でも、たりなくてよかった」発売。X(旧Twitter):@takashiajima





 『でも、たりなくてよかった―たりないテレビ局員と人気芸人のお笑い25年“もがき史”』
 定価: 1,650円 (本体1,500円+税) 発売中