アニメ はじめの一歩 New Challenger:各話あらすじ

〜第10話〜第20話|〜第26話|

Round 21「BATTLE OF HAWK!」

Round 21「BATTLE OF HAWK!」

鷹村が、チャンピオンのホークに挑戦したWBC世界J・ミドル級タイトルマッチ。第1ラウンド、鷹村は、ノーガードで挑発するホークに、オーソドックスなスタイルからまるで速射砲のような鋭いジャブを放った。このパンチは、相手のガードを弾くほど強烈で、ホークはコーナーに追い詰められる。
ところが、ホークは、左手でロープを掴みながら、アッパーで反撃。ホークの基本を無視した変則ボクシングを初めて味わった鷹村は、ア然となった。体半分寝かせながら放ち、次々と鷹村の顔面を捕らえるホークの強烈なパンチ。追い詰められた鷹村は、コーナーを背にして気を失いかけた。
気を引きしめた鷹村は、得意のジャブと、ボディーの上下の打ち分けでホークに反撃。しかし、暴力と言っていいほどのホークの読めない変則パンチを受けた鷹村は、意識が飛んでロープにもたれかかる。幸いにもゴングに救われた鷹村は、肩で息をしながらコーナーに戻った。
鴨川は、眼光鋭くにらむ鷹村に「自分のリズムを守れ」としか言えなかった。近代ボクシングを根底からくつがえす、まるでストリートファイトのようなホークの“野生”に、鴨川はそれ以上授ける策がなかったのだ。
鴨川から気合の張り手を背中に受けた鷹村は、第2ラウンド、足を使ってスピードでかき回す作戦に出た。直線的に突進してくるホークに対し、細かいジャブで反撃する鷹村。イラつくホークに、ついに鷹村の強烈な右が入った。
だが、余裕のホークは、鷹村の上を行く高速ステップにギアチェンジ。鷹村は、軽快なスピードで迎え撃つが、スキを突くホークの強打を浴び、たまらずダウンを喫して―。

Round 22「ケンカバトル」

Round 22「ケンカバトル」

鷹村が王者・ホークに挑んだWBC世界J・ミドル級タイトルマッチの第2ラウンド。スピードを上げた鷹村に対し、ホークは、あざ笑うかのように相手のスピードに合わせて打ち合いを始めた。両者の動きに差はないものの、当たるのはホークのパンチばかり。鴨川は、この状態を冷静に見て、ホークがこの手の戦いに慣れているからだと分析する。
まもなく、ロープ際で捕まった鷹村は、ホークの連打を浴びて2度目のダウン。カウント8で立ち上がったものの、失神状態の鷹村は、ホークの位置を確認できない。残り30秒。鷹村はようやく意識を取り戻すが、次にダウンすればKO負けは必至だった。
ところが、ジャブをスウェイし、のけぞったホークに鷹村の左が偶然当たってから、形勢が変わった。さらにのけぞってパンチを避けるホークに鷹村の左が連続して命中。バランスを崩したホークは、マットに叩きつけられるようにダウンを喫したのだ。渦巻く歓声の中、カウント7で立ち上がったホークは、ダメージダウンではなかったため、ニヤニヤとおどけて見せる。
ホークの弱点が見えたと鴨川に告げた鷹村は、第3ラウンド開始早々、再び同じパターンでダウンを奪った。限界まで上体をそらすホークのスウェイバックは、もしパンチが当たれば一番不安定な体勢でダメージを受けるのだ。ブチ切れるホークを見た鷹村は、逆にケンカバトルで応え、ノーガードで相手を挑発。両者フルスウィングの必殺パンチが飛びかうも有効打がなく、第3ラウンドはそのまま終了した。
第4ラウンド。ケンカファイトに変えた鷹村は、リズムを取り戻して勢いづく。そして、第5ラウンドのゴングが鳴った時、鷹村は、両手を高々と突き上げ、観客にKO勝ちを宣言した。

Round 23「支える手」

Round 23「支える手」

鷹村が、開始のゴング直前、観客に向かってKO勝ちを宣言した第5ラウンド。勝利を期待する歓声の中、突進した鷹村は、積極的に打って出た。ロープ際までホークを追いつめる鷹村を見た観客は、KOが近いと大盛り上がり。
そんな中、セコンドのミゲルは、ホークと同じ力量の鷹村が、なぜこのラウンド、急に猛攻を仕掛けてきたのかを考え、ある結論に達した。ミゲルは、すぐにホークに相手のボディーを狙い、さらにガードを固めるよう指示する。その結果、このラウンドでは、鷹村が宣言したKOシーンは見られなかった。
コーナーに戻った鷹村の体の汗を拭いた鴨川は、ようやく鷹村の第5ラウンドのKO宣言の意味に気付いた。汗を拭いた鷹村の皮膚からは、厳しい減量が影響し、それ以上汗が滲んでこない。自分のスタミナの限界を悟った鷹村は、第5ラウンドで試合を終わらせるつもりだったのだ。ミゲルは、ボディー攻撃に鷹村が顔をしかめたとホークから聞き、相手の“ガス欠”を確認した。
第6ラウンド。鷹村は、鴨川の心配通り、タコ殴りにされてロープ際に追いつめられた。ホークの左フックから大降りのアッパーをまともに食らった鷹村は、そのままダウン。何とか立ち上がった鷹村の右目は腫れ上がり、相手の左のパンチが見えなくなった。
ボロボロの鷹村に容赦なく突き刺さるホークの連打。まさにサンドバック状態になった鷹村は、ついに自分のKO負けを予感した。だが、ホークの強打を受けて 意識が遠ざかる中、鷹村は、鴨川や、一歩、木村らの手が自分の背中を支えてくれているように感じた。ジムの仲間の顔を思い浮かべた鷹村は、再び戦いの炎を燃やし、根性のワンツーを出す。これを無防備で受けたホークがよろけて、長く苦しい第6ラウンドは、終了した。
自分のコーナーを間違えるほどダメージが残る鷹村を見たホークは、次の第7ラウンドで倒す、とミゲルに告げた。

Round 24「王様」

Round 24「王様」

鷹村が、王者・ホークに挑んだ世界J・ミドル級タイトルマッチの第7ラウンド。大観衆が鷹村の巻き返しを期待する中、ホークは鬼の形相で攻勢に出た。ホークの変則パンチの連打を顔面に受けた鷹村は、意識が吹っ飛んで防戦一方。ホークは、ここぞとばかりフィニッシュを決めようとパンチを繰り出した。
ところが、意識を超える野生の本能が甦った鷹村は、突然猛反撃を開始。壮絶な打ち合いの後、相手の懐に飛び込んだ鷹村は、ホークのリバー〈肝臓〉、テンプル〈コメカミ〉、アゴといった急所のみを鋭いパンチで狙い始めた。そして、鷹村のアッパーをアゴに受けたホークは、たまらずマットに膝から崩れ落ちた。
カウントを始めるレフェリーの指示でコーナーに戻った鷹村は、ようやく意識を取り戻した。自分が相手をダウンさせたと気付いた鷹村は、さらに闘志をむき出しにする。ホークがカウント8で立ち上がるや、鷹村は、KOを狙って突進。だが、第7ラウンドは、そこで終わった。
誰もが試合の終了を予想した第8ラウンド。鴨川から赤い手形を背中に付けられた鷹村は、「王様になって帰って来る」と告げ、笑みさえ見せながらリング中央へと進んだ。
このラウンド、ホークは、最初から怒涛のラッシュを見せた。この猛打の嵐をガードでこらえた鷹村は、右クロスで応える。互いの連打の後、鷹村のストレート、アッパーが立て続けにホークに命中。ホークは、上体反らしからのパンチで反撃する。
そんな中、鷹村は、相手の上体反らしからのパンチに、強烈なカウンターを合わせ、再びホークをリングに倒した。一歩をはじめジムの仲間たちが、渡、卓ら兄弟が、大観衆が鷹村のKO勝ちを祈る。王者の意地を見せるホークは、カウント8で立ち上がるが、鷹村の猛打を受けて再びダウン。ついに、勝利の女神は鷹村に微笑み、新世界チャンピオンが誕生したのだった。

Round 25「銅像をどうぞ」

Round 25「銅像をどうぞ」

鷹村の世界タイトル奪取で歓喜のルツボと化す会場。鴨川や一歩らジム仲間に祝福されて、満足そうに笑う鷹村。チャンピオンベルトを締め、青木に肩車された鷹村は、両手を高々と上げて歓声に応える。リングサイドの卓、渡、京香の兄弟たちも、心から喜んだ。
1週間後、ジムに等身大の鷹村の胸像が届けられた。台座に、『王座奪取記念』とあるのを見つけた一歩らは、鷹村がそれを試合前に注文していたと知る。ところが、青木が、この胸像の腕を誤って折ってしまった。
そんな中、鷹村は、胸像のミニサイズの置き物を300個も持ち、ご機嫌でジムに現れた。この置き物は、ひと儲けしようと考えて作った鷹村グッズ。胸像の腕のことを知った鷹村は、普段なら怒り心頭で大暴れなのだが、逆に青木に優しく話しかける。ミニ鷹村像を全て売りさばくよう鷹村に命じられた青木は、仕方なく繁華街の路上に座るはめになった。
まもなく、デビュー戦でKO負けした板垣の2戦目が行われた。元々、実力のある板垣は、初戦の黒星で吹っ切れたこともあり、あっさり1ラウンドKO勝ち。その夜、祝勝会をするという板垣家に招かれた一歩は、両親やファンだという妹・菜々子と一緒に、食事をすることになった。この板垣の家族がダジャレ一家で、一歩は、チャンピオン級の“ワザ”を連発する板垣の父親にやられっぱなし。
翌日、ダジャレ好きの鷹村は、チャンピオンのプライドもあって、板垣の父親に挑戦に出かけた。しかし、戻って来た鷹村は、返り討ちに遭ったらしく、板垣の父親を“師匠”と呼ぶまでになっていて―。

Round 26「New Challenger」

Round 26「New Challenger」

鷹村の世界王者奪取で、一気に活気づく鴨川ジム。春先には、一歩の4度目のタイトル防衛戦、青木の日本タイトル挑戦、板垣の新人王戦などイベントが目白押し。記者の取材を受けた一歩は、控え目ながらも決意を語る。
そんな中、練習帰りの一歩が、突然現れた宮田に、いきなり胸倉をつかまれて、文句を言われた。実は、宮田は、ジムを通して何度も一歩との試合を申し込んでいたのだが、ことごとく拒否されていたようなのだ。以前、プロのリングで決着をつけようと約束したという宮田は、一歩に裏切られた思いだったのだ。
鴨川から何も聞かされていない一歩は、自分の力がアップしたという自負もあったため、慌ててジムに戻り、事実関係を質した。これに対し、鴨川は、宮田の所属する川原ジムからのタイトルマッチの申し込みを断わったとあっさり認める。そして、今、一歩が宮田と戦った場合、何度シミュレーションしても、全く勝ち目がない、と断言したのだ。
一歩がとぼとぼとジムから姿を消す中、鴨川は、改めて一歩の必殺技・デンプシーロールのことを考えた。
デンプシーロールは、振り子の原理で左右から襲う強打。しかし、規則正しいその運動は、相手にとってタイミングが取りやすく、カウンターの絶好の餌食になる。ジャブを基本とし、スピードの流れの中から、相手の機能を停止させる近代ボクシングを学んだ宮田。一歩は、デンプシーロールを手に入れてから、近代ボクシングに逆行する方向に進んでいた。このため、鴨川は、一歩のデンプシーロールこそが宮田戦においての致命的な弱点になると考えたのだ。
一方、鴨川の言葉に目の色を変えた一歩は、直感的にデンプシーロールの改良に取り掛かった。一歩の計画は、連打の回数とスピードのアップ。そのヤル気を評価した鴨川は、一歩と一緒に、近代ボクシングに通用するデンプシーロールを作り上げようと、決意した。

©森川ジョージ/講談社・VAP・マッドハウス・NTV・D.N.ドリームパートナーズ