アニメ はじめの一歩 New Challenger:各話あらすじ

〜第10話|〜第20話|〜第26話

Round 11「一歩vsハンマー・ナオ」

Round 11「一歩vsハンマー・ナオ」

『一歩圧勝』の予想で始まった元同門対決。第1ラウンド。ナオは、一歩の出鼻をくじく先制ラッシュを考えた。だが、ゴングが鳴ったとたん襲い掛かったのは、一歩の方であった。合わせようとしたナオの手をかいくぐった一歩は、右フックから連打の嵐。ロープ際に追い詰められたナオは、防戦一方で、開始30秒にしてダウンを喫してしまった。
カウント6で立ち上がったナオに対し、一歩の猛攻は収まらなかった。クリンチして休みたいナオを無理矢理突き放した一歩は、鬼の形相で畳み掛けるようにパンチをくり出す。客席の青木や木村らは、まるでケンカ腰の一歩をこれまで見たことがなかった。
ナオは、懸命に重いパンチで一歩を脅かした。しかし、2年前よりスピードが一段とアップした一歩に、ナオのパンチは全く当たらない。逆に一歩のパンチを受けたナオは、2度目のダウンをしてしまった。
一歩は、何とか早くナオをKOして、試合を終わらせたかった。だが、自分の2年間の努力と成長を憧れの一歩に知ってもらいたいナオは、懸命に立ち上がる。一歩から学んだ丸まってガードを固める“カメ作戦”を取ったナオは、この回、一歩の猛攻をしのいだ。
第2ラウンド。動きが速い一歩もボディーなら当たると気付いたナオは、八戸会長の指示で、即効性のあるミゾオチパンチを狙った。一歩の固いガードを右手でこじ開けたナオは、ここぞとばかりミゾオチパンチを叩き込んだ。手を使う方法は、噛ませ犬として這い上がってきたナオが覚えたえげつない作戦だったが、呼吸が出来なくなった一歩は、防戦一方。ナオの執拗なボディー攻撃を受けた一歩は、ついにコーナーに追い詰められた。

Round 12「プロの条件」

Round 12「プロの条件」

ハンマー・ナオがチャンピオンの幕之内一歩に挑戦した日本フェザー級タイトルマッチの第2ラウンド。みぞおち打ちをテコに反撃に転じたナオのパンチは、一歩の顔面をとらえるようになった。噛ませ犬の思わぬ反抗に、会場からはハンマーコールが湧き起こる。
だが、ガードを固めてナオの攻撃を受けていた一歩は、突然気迫のオープンガードに変えて、打ち合う構えに入った。ナオのフックに対し、強烈なアッパーで威嚇する一歩。それでも前進するナオは、フックにみぞおちパンチを交えながら攻勢を強める。セコンドの八戸会長は、ナオに止めを刺すよう指示した。
その時、一瞬のスキを突き、ナオのボディーに一歩の強烈なリバーブローが突き刺さった。それまでナオが積み上げてきた攻撃を一撃で消し去る一歩のパンチ。八田会長は、ナオの苦しみ方を見て、あばら骨までへし折られたと直感し、タオルに手を掛けた。
だが、この試合を自分の引退試合と考えていたナオは、苦しみながらも立ち上がった。一歩も、その気迫に応えるように、ナオに猛攻を開始した。ワンツー、リバーブローの連打。そして、一歩の強烈な右ストレートを受けたナオは、ついに力尽きた。ナオに近寄るのをグッと我慢する一歩。そんな一歩を見て、鴨川は、王者の務めは果たした、と思った。
控え室に運ばれたナオは、スッキリした顔をしていた。そんなナオに、引退のことを口にする八田会長。だが、ナオは、自分を励ましてくれた一歩のインタビューを耳にし、ボクシングをまだ続けようと思った。

Round 13「イッポ・オン・ザ・ビーチ2」

Round 13「イッポ・オン・ザ・ビーチ2」

ナオとの試合を終えたばかりの一歩の家に鷹村が姿を見せ、愛犬・ワンポを海に連れて行く、と告げた。鷹村の目的は、木村、板垣の3人で行う海合宿。鷹村らは、試合直後の一歩、青木の代わりにワンポを連れて行く、というのだ。
鷹村がなかば強引にワンポを連れて出かけて程なく、今度は、青木が恋人のトミ子と現れ、一歩を海に誘った。一歩は、トミ子の後から現れた憧れの久美にも一緒に行くよう誘われ、即OK。ところが、この合計7人と一匹が偶然海で出会ったことから、思わぬ騒ぎが起きた。
日帰りだとばかり思っていた一歩は、海に着いて、初めてこの旅行が一泊だと知った。青木が予約していたのは2部屋。ところが、青木とトミ子が同じ部屋に泊まると言い出したため、一歩はア然となった。久美が好きな一歩は、この機会に告白しようと考えてはいたのだが、いきなり同じ部屋に泊まるとは思ってもいない。夜、久美と海岸を散歩した一歩は、告白しようとするが、そのチャンスは訪れなかった。
一方、トミ子と海岸でお熱いラブシーンを繰り広げていた青木は、花火の明かりで、鷹村が痴漢行為を行っていると気付き、怒り心頭。だが、その鷹村も、合宿と聞いて遊びに来た鴨川の親友・猫田におどかされて失神寸前。そんな中、久美と2人きりになった一歩は、懸命に告白しようとするが、待ち疲れた久美は、いつの間にか眠ってしまった。
翌日、青木は、“痴漢”の鷹村をこらしめるため、大きなフナムシを挟み込んだお好み焼きを食べさせようとするが…。

Round 14「二つのスパーリング」

Round 14「二つのスパーリング」

海の合宿で、板垣に頼まれた一歩が、スパーリングの相手をすることになった。またとないチャンスに、本気モードの板垣は、自慢の速いステップを使って一歩を攻める。だが、一歩の重いリバーブローの直撃を受けた板垣は、たまらずダウン。板垣は、3ラウンドで4回のダウンを喫するが、それでも大満足。やがて、海合宿は、猫田も加わった花火大会で終わりを告げた。
ジムに戻って程なく、一歩は、今度は、音羽ジムの若手・今井のスパーリングパートナーを務めることになった。今井は、2年連続インターハイと国体で優勝し、アマチュア戦績は35戦無敗の有望株だった。
スパーリングで様子見から始めた一歩は、今井が逃げると打ってくるファイタータイプだと気付き、打って押し返す作戦をとった。一歩が打っても逆に打ち返してくる今井。鴨川は、一歩に憧れているという今井が、そのスタイルをマネしながらも自分のものにしていると気付き、舌を巻く。一歩は、今井がすでにプロの風格を身につけている才能豊かな選手だと感じた。
そんな中、ジムに戻って来た板垣は、一歩がスパーリングをした相手が今井だと知り、ア然となった。実は、板垣は、高校時代、今井と3度戦って全てKOで敗れていたのだ。一歩の感想は、口には出さなかったが、今井の方が実力的に板垣より一枚上。そんな一歩の胸の内を見抜いた板垣は、来年の新人王戦で激突する今井に、必ずリベンジすると誓った。

Round 15「板垣、デビュー戦」

Round 15「板垣、デビュー戦」

両国国技館で行われる鷹村の世界戦の日程が明らかになり、一歩は、同じ日、セミファイナルで3度目の日本タイトル防衛戦をすることになった。鷹村の世界戦の相手は、20戦20勝17KOのブライアン・ホーク。タイトルを奪取した時、わずか9日間しか練習をしなかった、と豪語するチャンピオンだ。鷹村は、ブライアンが自分をナメ切っていると知り、怒りに震えながら練習に精を出した。
両国での試合を2ヵ月後に控えたある日、鷹村の世界前哨戦と板垣、木村の試合が行われた。デビュー戦となる四回戦のリングに立った板垣の相手は、地味な雰囲気の牧野。板垣が鳴り物入りでアマから転向したスーパールーキーだったのに対し、牧野は2戦2敗でまだ勝ち星がない。ゴングの後、板垣は、全てフルスイングの牧野に、スピードのあるカウンター攻撃を仕掛ける。勝負は、誰が見ても板垣が優勢だった。
ところが、牧野の頭が板垣に頬に当たった直後、動揺した板垣に牧野の左が命中。ダウンした板垣は、懸命に立ち上がるが、今度は牧野の肘が当たり、再びダウン。この結果、板垣は、KO負けということになってしまった。
控え室に戻った板垣は、自分に当たったのが頭と肘で反則のはずだ、と興奮気味。だが、そこにやって来た一歩は、レフリーが止めなかったのが、故意ではなく事故と判断したためだ、と告げる。そして、気を抜いた板垣が悪い、と言い切った。ショックを受けた板垣は、負けた悔しさもあり、「幻滅だ!」と言い残して、控え室から姿を消してしまった。
一方、リングでは、木村がかろうじて判定で勝利し、いよいよ、鷹村の試合の番になった。世界戦に弾みをつけたい鷹村は、派手な衣装でリングに上がって―。

Round 16「二羽の鷹」

Round 16「二羽の鷹」

板垣、木村の試合後に始まった鷹村の世界前哨戦。対戦相手のモーリス・ウエストが軽やかなフットワークで姿を見せる中、鷹村は、最悪のコンディションでリングに立った。減量に失敗したのか、体調不良なのか、鷹村は、げっそりとした形相。リング上でよろける鷹村を見た観客は、まともにパンチが打てないかもしれないと囁いた。
第1ラウンド。全く力が湧いてこない鷹村は、ウエストを倒して早く試合を終わらせようと、いきなりラッシュを掛けた。だが、いつもなら相手をダウンさせることが出来る鷹村のパンチが軽かったため、ウエストにダメージを与えることが出来ない。鷹村はカウンター攻撃を仕掛けるが、相手の状態に気付いたウエストは乗ってこなかった。そして、焦る鷹村が、ラウンドの終了後に水を飲んだことから、形勢はさらに悪くなった。
勝負は、大振りしながら突進する鷹村を、ウエストがフットワークでかわす状況で第6ラウンドに入った。鷹村のパンチに力がないことを確信したウエストは、積極的に攻撃を開始。体が動かない鷹村は、ウエストの連打を受け、サンドバック状態になった。カウンターで窮地を脱しようとするが、鷹村は打ち負けて追い詰められる。懸命にクリンチで逃れた鷹村は、残り時間がまだ1分30秒もあると気付き、愕然となった。
そんな中、鷹村は、リングサイドで両脇に女をはべらせている外人が、世界戦の相手となるチャンピオンのブライアン・ホークだと気付いた。観戦するホークがニヤニヤしているのを見た鷹村は、ウエストの猛攻を受けながらも、怒り心頭で反撃を開始。カウンターでウエストをロープ際に追い込んだ鷹村は、必殺のパンチを相手の顔面に叩き込んだ。
ロープの外にまで弾き出されたウエストは、リングサイドのホークの席に転落して―。

Round 17「野生児」

Round 17「野生児」

世界戦を前にした記者会見で怒りのあまり、チャンピオンのホークに殴りかかろうとする鷹村。そんな鷹村を懸命に制止した一歩、青木、木村の3人は、記者会見後、藤井を交えて世界戦の行方を占った。
藤井の分析によると、ホークは、理詰めでかつ芸術的なボクシングをするリカルドとは正反対で、動物的なカン、闘争本能、傲慢なまでの自己顕示欲は、まるで 野生児といってもいい。繰り出すパンチが全て必殺パンチだと聞いた一歩らは、ホークのボクシングスタイルがまるで鷹村とそっくりだと気付いた。
鷹村には減量というもうひとつの難敵が控えていたが、一歩らは、ボクシングを始めるきっかけを作ってくれたちょっと荒っぽい恩人を心からサポートしようと思った。
まもなく、鷹村をもっと良く知るためにそのアパートを訪ねた3人は、鷹村の姉と弟だという京香、渡と遭遇した。鷹村の父親は、リゾート開発やホテルなどを手掛ける大手の鷹村開発の経営者で、鷹村はその次男。2人は、鷹村が近々世界戦に挑戦すると知り、激励に来たというのだ。
京香らの話によると、鷹村は子供の頃から有り余る腕力が災いし、数多くの事件を起してきた。そして、鷹村は、中学時代、長男・卓が出場したラグビー大会の会場で暴力事件を起したため、親から勘当され実家から追い出されていたのだ。
その頃、卓と会った鷹村は、全く違う立場から励ましを受けていた。鷹村が、多くの暴力沙汰で家に泥を塗ったという卓は、その汚名を雪ぐためにも世界一になれ、と言うのだ。だが、勝ったらいくつかの会社を任せるという卓に対し、鷹村は、自分の居場所はリングしかないと言い切った。

Round 18「極限の減量」

Round 18「極限の減量」

鷹村の世界戦が近づき、鴨川ジムでの話題は、次第に試合のことが多くなった。当日のセミファイナルで行われる一歩の日本タイトルの防衛戦の相手は、ランキング5位の韓国人の“輸入ボクサー”に決定。だが、リラックスムードの一歩に対し、鷹村の戦いはもう始まっていた。
実は、普段の体重が90キロ近い鷹村は、試合までに20キロも減量する必要があった。鷹村のジュニアミドル級は、世界中の強豪がひしめくクラス。つまり、鷹村は、最強チャンピオンのホークと試合をする前に、まず地獄のような減量と戦わなければならなかったのだ。
鷹村の家での食事などは、姉の京香が管理した。鷹村が猛練習の後、やかんを載せたストーブのある部屋で口にするのは、バナナなどの減量メニューと体内の水分を唾液から除くための干シイタケだけ。一歩、青木らの応援を受けながら、鴨川の指導を受ける鷹村の表情には、いつしかピーンと張りつめた緊張感が漂い始めた。
残り5キロとなった鷹村は、いよいよ正念場を迎えた。練習でのパンチに切れがなくなり、まさに疲労のピーク。体内の余分な水分を出し尽くしたため、あとは骨身を削る作業だけになった。
京香の作るスープさえ口にしなくなった鷹村の考えたのは、水のことだけ。精神が冴えすぎ、幻覚にも襲われた。青木や木村は、鷹村が自分たちの考えも及ばない極限の状況にあると知り、尊敬の念さえ抱いた。
そんな中、ホークが余裕の表情で来日した。美女に囲まれるホークを見た鷹村は、激しい敵意を見せた。

Round 19「二羽の鷹」

Round 19「二羽の鷹」

公開スパーリングの日、実力の片鱗を見せつつも手抜きを繰り返すホークに対し、鷹村は、最悪のコンディションでリングに立った。減量による衰弱のため、スパー相手に連打を食らって倒れそうになる鷹村。取材をした記者たちは、7-3で鷹村の不利を予想する。鴨川は、世界戦の重みなどまるで頭にないまま遊びまわるチャンピオンを見て、怒りを露わにした。
やがて、行われた計量では、必死の減量が実を結んで、鷹村はリミットいっぱいでパス。だが、共に計量したホークは、鷹村の体を見て、まるでミイラだと嘲り笑った。記者会見でも、ホークは、不真面目な態度を取り続けて、鷹村を挑発。余りにもお粗末なホークの様子に、記者たちもその人間性を疑った。鷹村をバカにされて思わず掴みかかる鴨川に、ホークは逆に平手打ちを食らわす。これを見た鷹村は怒りに震え、記者たちも全員がホークに反発した。
試合当日、会場に詰めかけた観客が反ホークで一丸となる中、一歩は、控え室で会った鷹村に絶対勝って欲しいと頼み、自分もセミファイナルで必ず1ラウンドでKO勝利すると約束した。
3度目の日本タイトル防衛戦のリングに立った一歩は、韓国の強豪・李と相対した。自分のスタイルを貫き通すように、との鴨川の指示を受けて緊張する一歩。1ラウンドのゴングと同時に飛び出した李は、こん棒のように突き出す左のパンチを繰り出しながら、突進してきた。これを見た一歩は、得意のデンプシーロー ルで対抗。まもなく、一歩の左右の強打を連続して食らった李は、まるで人形のようにリングに崩れ落ちた。

Round 20「世界J・ミドル級タイトルマッチ」

Round 20「世界J・ミドル級タイトルマッチ」

世界王座を狙う鷹村のお膳立てをするかのように、セミファイナルで1ラウンドKO勝ちを果たした一歩。試合終了後、報告をするため鷹村の控え室に行った一歩は、伊達を始め、各階級の日本チャンピオンがそろって詰め掛けているのを見て、ビックリ。日本中が応援している、と改めて伊達に励まされた鷹村は、鋭い目付きで必勝を誓った。
最後に、鴨川から“積み上げたものが拳に宿る”と言う言葉で勇気を注入された鷹村は、一歩や青木、木村らとのトレーニングを思い浮かべながら、控え室を出て、リングへと向かった。
会場は、16戦16勝16KOの鷹村の世界挑戦に、異常なまでの盛り上がりを見せていた。割れるような歓声を受けながら、ロープを飛び越えてリングに立った鷹村は、拳を高々と振り上げて観客に応える。
次いで姿を見せたチャンピオンのホークは、派手な衣装のホークガールズを従えて、華やかにリングに向かった。観客の罵声が渦巻く中、悠々と不敵に進むチャンピオン。鷹村は、そんなホークをリング上からにらみつけた。
やがて、両者がリングに上がり、リングアナによる選手紹介が行われた。その時になっても、ホークは、“鷹村Tシャツ”を破く、余裕のパフォーマンスを見せる。青木と木村は、ほとんど練習をしていないとの噂のホークの体が、威圧感を感じるほど鍛え上げられているのを見て、ア然となった。
全てのセレモニーが終わり、それぞれのコーナーに分かれる鷹村とホークの“二羽の鷹”。そして、いよいよ試合開始のゴングが打ち鳴らされた。

©森川ジョージ/講談社・VAP・マッドハウス・NTV・D.N.ドリームパートナーズ