デッド・ドント・ダイ
ジム・ジャームッシュ監督最新作、本日発売!愛すべきゾンビ映画「デッド・ドント・ダイ」
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RELEASE

当社公式サイトリニューアルに伴いまして、社員による商品紹介も更新して参ります。
配信や放送情報も掲載して参りますので、
1つでも多くの作品に触れていただくきっかけになれば幸いです。

さてちょうど本日、Blu-ray & DVDが発売される映画を紹介致します。
ジム・ジャームッシュ監督の最新作『デッド・ドント・ダイ』。
ビル・マーレイとアダム・ドライバー扮する田舎町の警察官が、ゾンビに立ち向かう物語です。

今作の大きな魅力として劇場宣伝時から打ち出していたのは、
コーヒー、アルコールといった嗜好品や、生前固執していた「物」「活動」に
死してなお惹きつけられてしまう、「共感できる」ゾンビたちの姿でした。

ゾンビ映画あるあるとして共有されるネタは、
「どこに逃げると良い/悪い」とか「こんな性格のキャラがやられがち」とか、
逃げる人間たちの視点から見える「フラグ」的情報が多いかと思います。

そんな名作たちに敬意を払いつつも、
現代人へのメッセージをストレートに伝える今作の立ち位置を考えた結果、
今作の国内展開は「あなたは何ゾンビ?」という問いかけで始まったのです。

※「こんなゾンビがいたって良いよね」と肯定してくれる
ぴったりの人がいる!ということで、劇場宣伝時はぺこぱさんにもPRにご協力頂きました。

理性や感情を挟む間もなく、ついつい手がのびてしまう物が誰にでもあるはず。
現代人の姿を反映した今作のゾンビたちは、各々の「愛しいしと」を求めて墓から一直線。

ボートに乗って機械仕掛けの動物たちを眺めるアトラクションのように、
主人公たちがゆっくり走るパトカーの車窓から「〇〇ゾンビ」たちを眺めるシーンが、
予告編でも使われています。

大好きなモノを手放せないゾンビたちに共感すればするほど、
杭に刺さった体を自ら深みへと進めていくような映画なのに、
ジャームッシュがニコニコと「餌」を撒きまくっているのも憎いところ。

もし私が「実に良き町」ことセンターヴィルに迷い込んだら真っ先に向かうのは、
ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ演じるボビー・ウィギンズが経営する雑貨店しかありません。
(他に娯楽施設が殆どない街っぽいので、そこしかないっちゃないのですが…)

「ビルボ」「フロド」の呼び名を持ち、「吸血鬼ノスフェラトゥ」の《自作》Tシャツを着用し、
ポンティアック・ルマンに乗り付けたセレーナ・ゴメスに一目惚れして、
RZAが持ってきてくれる名言を楽しみに待ちながら1日が終わる。
生計が立つなら、私もあんな店で働きたい。

ボビーの1週間を描いた『パターソン』がもしあったら、
ブルドッグの名前は「ガンダルフ」になるんだろうか。

閑話休題、監督自身が今作をコメディだと言い切っているように、
世界の終末が迫っているとはまるで感じさせない住人たちのかけあいに、
観ているこちらも「そんなもんか」と次第に納得してしまい、
まんまとジャームッシュ・ワールドに我々も引き寄せられていきます。

ちなみに、ビル・マーレイ演じる警察署長・クリフには、
ただでさえ旧知の仲である住人たちが「その人らしさ」を残したままゾンビと化しているさまを見て、
相手によっては詫びの言葉を告げてから引き金を引くぐらいの良心が残っているのに対し、
アダム・ドライバー演じるピーターソンは、
「マイナーリーグにいたもんで」とフルスイングで首にナタをふるい、
ゾンビ(とまだゾンビ予備軍のセレーナ・ゴメス)の首を飄々とはねていきます。

幾らジャームッシュ作品とはいえなぜ彼らがそんなに淡々としているのか、
とある仕掛けが待っていますので、ぜひ本編をご覧になってください。

ちなみに劇場で笑い声があがった1つのサプライズとして、
今作の世界線には「スター・ウォーズ」が存在することがわかる場面があります。
じゃあもしカイロ・レンがこの世界線にいたら、何ゾンビになるんだろう。
「マスク・ゾンビ」かな…

そんなことを考えてみるのも、「デッド・ドント・ダイ」流の楽しみ方ということで。
推しの話とタラレバ話は、死んでもやめられない。

「デッド・ドント・ダイ」
脚本・監督:ジム・ジャームッシュ
Blu-ray & DVD 発売中 (※画像はBlu-ray商品です。)
提供:バップ、ロングライド 発売元:バップ
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ARTWORK ©2019 FOCUS FEATURES LLC.

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