プロレス
【プロレスマニアのひとりごと】①
衝撃! アントニオ猪木本人の対ジャイアント馬場戦予想!
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アントンリブとアントンマテ茶

昨年亡くなったアントニオ猪木・・・
みなさんは、猪木にどんなイメージをお持ちだろうか?
不世出のプロレスラー?「元気ですかー!」「1、2、3、ダー!」?国会議員?

筆者は、それ以上に飲食関係を思い出す。
六本木のロアビル向かいのビル2階にあったレストラン「アントンリブ」。
店名のアントンリブとは、もう40年は昔の話だが、ブラジル移民歴もあった猪木らしいワイルドでスパイシーな豚肉料理で、豚の肋骨にむしゃぶりついて食べた記憶がある。

確か、プロレス雑誌に広告も出していたし、千駄ヶ谷駅前の東京体育館(今の建物ではなく、その前の)で、「アントンマテ茶」という猪木が副業として営んでいたマテ茶のサンプルを自身のプロレス団体の興業の客に無料配布しており、そのサンプルの中で「アントンリブ」の案内や、そのプロレス団体(新日本プロレス)のプログラムでも大きく広告を出していた。

割と手ごろな料金で美味な店で、何度か食べた記憶があるが、比較的短期間で閉店してしまい、後継店舗は「串焼きばいしょう」そう、古いファンならわかると思うが、当時の猪木夫人である倍賞美津子さんの倍賞家で経営していたようだ。
アントンマテ茶も記憶に残る美味しさであり、単にサンプルを飲んだだけではなく、買い求めた記憶もあり。

 

 

ただ、猪木自身は残念ながら特に商才があったわけではないようで、いずれも短期間でなくなってしまった。タバスコの権利も持っていたようだが。
プロレス界の2大巨頭であるジャイアント馬場は一切、副業には手を出さなかったが、猪木は対極に位置するかのように副業に情熱を注いだようだ。

猪木DVDの見どころ

猪木が亡くなってしばらく経過してから、何気なく小生のDVD収納棚を見ていたら、今回のDVD『闘魂伝説 アントニオ猪木 ―若獅子 新時代への咆哮―』を発見した。

紹介作品はこちら

『闘魂伝説 アントニオ猪木 ―若獅子 新時代への咆哮―』

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猪木の新日本プロレス旗揚げ前、力道山からスカウトされた「日本プロレス」時代の映像は本当に貴重で(なにせ猪木が日本プロレスに在籍したのは1971年12月まで50年以上前の話なのだ!)他社ソフトで、ドリー・ファンク・ジュニアとの当時世界最高峰のタイトルだったNWA世界ヘビー級選手権試合2試合や、当時保持していたユナイテッドナショナル(UN)ヘビー級の防衛戦2試合(ジャック・ブリスコ、ディック・マードック)の合計4試合は視聴可能だがその他の試合はこのDVD以外はソフト化されておらず、大変貴重な映像であり思わず見入ってしまった。

書きにくいことだが、猪木の日本プロレス時代の日本テレビの映像はあまり残っていないようで、ソフト化されているのは、このDVD1枚しかない!

シングル2試合、タッグ1試合が、ノーカット収録されており、個人的にはこの3試合全てを裁いて、試合に介入(参加?)するレフェリー ユセフ・トルコの目立ちたがりのレフェリングも大変興味深く、今のプロレスのレフェリーには出せない味を出している。
特にジャイアント馬場単独エース時代から、馬場猪木両エース自体の幕開けとなった伝説的試合、1969年5月第11回ワールド大リーグ戦優勝を血染めの卍固めで決めたクリス・マルコフとのシングルは圧巻の内容だった。新日本旗揚げから、引退試合まで殆ど見られなかったキチンシンク→卍固めの展開は必見!この頃、延髄斬りは、まだ未開発だった。
ライバルのジャイアント馬場が猪木優勝のリングに飛び込んで抱き合うシーンはその後の経緯を考えると実に新鮮。

日本プロレス時代しか実現してない大物ザ・デストロイヤーとの1971年5月第13回ワールド大リーグ決勝トーナメントは、猪木のコブラツイストと、デストロイヤーの足4の字固めのスリリングな攻防で、4の字固めが、現在のようなやや繋ぎ技になってしまった感じではなく、必殺技としての格が感じられた。
現存する猪木最古の試合映像も収録されている!その試合は、日本のプロレス史上最高のタッグ職人でもあった吉村道明と猪木の1967年12月のタッグ3本勝負で、1本目は意外にもあっさりとフォール負け。新日本旗揚げ以降の猪木ではまず見られなかったシーン(しかも負ける相手が大物とは言い難い外人レスラー)、2本目は卍固め開発前の切り札的存在であったコブラツイストできっちりとお返しする。

3本目の結果は見てのお楽しみということで。

さらに試合以外でも卍固めを初公開した時の貴重映像(実験台は若き日のタイガー戸口!)や、2003年2月のインタビュー映像も大変興味深い内容で、
ライバル・ジャイアント馬場に関してはなんと、亡くなった馬場とのシングルの勝負予想まで、猪木本人の毒舌本音トークが爆発!
おそらく馬場の逝去後の収録ということもあって、遠慮なく発言できたのだろうと推測する。
忖度ない今のレスラーに伝えたいことなど、アントニオ猪木に興味のある方なら必見の歴史的DVDといえるのではないだろうか。

 

ふじやま