Music File series Official Site

好評発売中

What's MUSIC FILE? 的なシリーズのトータルな制作ウラ話

企画制作者・高島幹雄

「ミュージックファイルシリーズ」とは、テレビドラマのサントラ音源(劇中に流れていた音楽、BGM、映像音楽)の中から、一部の作品を除いて、過去にレコード、CDで発売されることの無かったものを「発掘」してCDにしていくことから始めたシリーズです。

そのスタートは、「伝説のアクションドラマ音楽全集」を、1992年9月21日と11月1日の2回に分けて、1回あたり5タイトルずつ発売した合計10枚のアルバムでした。(詳細は発売順リストを御参照下さい)

これの企画と内容のディレクションをした筆者、高島は、当時のバップ社員としての本業は、映像商品(当時はVHSテープとLD=レーザーディスクでした)の宣伝でしたが、これ以前にも、『懐かしのテレビまんが主題歌大全集 アニメ編』や『同 特撮ヒーロー編』(1991)などのCDの企画提案し、制作部門のディレクターの協力を得て、実現していました。この2枚がおかげさまで好セールスを上げたことから、筆者は会社の人事的に制作の所属ではないのですが、関連部署の方から「これからもCDの企画提案をしても良いよ」ということになったのも「伝説のアクションドラマ音楽全集」を生み出すきっかけの一つでした。この他、「ミュージックファイルシリーズ」の起こりを思い出すと、かなり長い内容になるのでこのへんにしておきます。

「伝説のアクションドラマ音楽全集」の方は全てのタイトルではありませんが、買って頂いた多くの皆様のおかげで、10タイトルのうちの何割かが、非常に良い打率で利益を生み出しました。そこでさらに「他にも音源を探してバップから発売出来るCDがあればどんどん考えて良いよ」というお話しも頂きました。
その後は日本テレビ系のみならず、他局の番組、ドラマ以外にも、アニメ、特撮ヒーロー、更に日本映画でも眠っている音源を発掘、開拓して、不定期ながら発売点数を積み重ねていきました。

「伝説のアクションドラマ音楽全集」、「思い出の青春ドラマ音楽全集」、「懐かしのテレビまんが音楽全集」というカテゴリーのそれぞれがシリーズ名という意図をもって筆者は作っていたのですが、いつの間にか、社内、社外の方々から「ミュージックファイルシリーズ」もしくは「ミュージックファイル」と呼ばれるようになっていました。
シリーズの表記は、ミュージック・ファイル、ミュージック・ファイル・シリーズというように「・」を付けるのか付けないのかが、告知物によってはまちまちですが、正式には1ワードで「ミュージックファイルシリーズ」ということにしてます。

特にリリースが多かった年が1995年です。
この年に筆者がCDの制作セクション(バップでは、当時、オーディオ制作部と言っていました)に人事異動になったのもその理由です。これを機に、思い切ってを毎月5枚ずつリリースするということにトライもしてみました。発売順リストの中で異様に多い期間がソコです。

「ミュージックファイルシリーズ」は、その後もさらに、バラエティ番組や作曲家作品集、昭和歌謡コンピレーション、シンガー別ベスト盤へと企画が広がり、また既存の音源の発掘だけでなく、新録音によるサウンドトラック盤もリリースするようになりました。

2002年9月10日に、10月1日付で制作を離れ他部署への人事異動の辞令を受けました。10月発売作品の制作の追込みと、9月末に控えたイベントの仕込みもしながら、短期間でこれまでお世話になった社外の方々に異動の挨拶、報告をしていきました。そこでのいろいろな会話も含めて考えた結果、筆者はバップを辞めることにしました。そして、この年の10月発売のタイトルで、バップでの「ミュージックファイルシリーズ」は終了となりました。

ミュージックファイルシリーズは、筆者発信の企画ではあります。
しかし、特にバップ在職中では、法務関係のセクションには他社から音源をお借りするための協力、営業セクションでは企画を成立するためのリサーチや販売施策、宣伝セクションからはミュージックファイルシリーズに興味を持って頂いている雑誌や局の方を紹介して頂いたり、そして現場の同僚や、代々の上司からの理解……様々な協力があって出来たものです。

在職中に、雑誌などのインタビュー取材を受ける機会も少なからずありました。その原稿チェックの時に、先に書いたような社内の協力もあっての一人では出来ない仕事と、入れて頂くようお願いした事も何度かありましたが、雑誌によっては制作ディレクター1人を主役にする方が記事の内容がわかりやすいなどの編集意図でカットされたり、記事によってはオレ様キャラが作られたり…(自分でも面白がっていたので、それでも良いんですけど・苦笑)。そのイメージの一人歩きで、ネット上のウワサでは憶測でいろいろ書いて下さるものもありました…。

バップを辞めた後、頻繁ではないですが、日本コロムビア、ポニーキャニオン、テイチクエンタテインメント、ウルトラ・ヴァイヴなどのメーカーからも「ミュージックファイル」の名を据えたCDを企画制作させて頂いています。

そして今年、2012年に「ミュージックファイルシリーズ」が誕生して20周年を迎えるタイミングで、「ミュージックファイルシリーズ」のカタログの見直し、配信アルバム化、そして筆者が社員だった頃のように、コアすぎる作品のリリースは当然難しいとは思いますが、新たなCDパッケージ商品の発売の提案も、というお話を、バップの現場の方々から頂きました。
他社を旅して、戻ってくるような感じです。
(2010年に筆者の提案で形にさせて頂いた、機動警察パトレイバーのCD-SETシリーズで最後のディスクにコッソリと「MUSIC FILE」を忍ばせましたが…https://www.vap.co.jp/patlabor/

このサイトは、バップにおけるミュージックファイルシリーズのカタログの活性化と、事情が許す限りですが、他社発売のミュージックファイルシリーズ関連CDの情報リンクも含めた、シリーズの情報発信基地になっていければと思っています。
日々のアクセスをよろしくお願いします。……あ、そしてもちろん、買って下さいね!(笑)

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