ダゲレオタイプの女

数々の国際映画祭で高い評価を受け続け、世界中に熱狂的な”キヨシスト”を持つカリスマ、黒沢清監督が初めて撮りあげたフランス映画。

 

2016年/フランス=ベルギー=日本

RELEASE

STORY

その撮影は永遠の命を与える愛。

 

パリ郊外、再開発中の街の一角、古い路地に佇む屋敷。
ジャンは、そこに住む気難しそうな中年の写真家ステファンの助手として働きはじめた。
「これこそが本来の写真だ!」等身大の銀板には、ドレスを着て空虚な表情を浮かべるステファンの娘マリーが写っている。ステファンは娘をモデルに、ダゲレオタイプという170年前の撮影方法を再現していたのだ。露光時間の長い撮影のため、動かぬように、手、腰、頭......と拘束器具で固定されていくマリー。
「今日の露光時間は70分だ!」ステファンの声が響く。

 

ダゲレオタイプの撮影は生きているものの息遣いさえも銀板に閉じ込めるかのようだ。
この屋敷ではかつてステファンの妻でマリーの母ドゥーニーズもダゲレオタイプのモデルをしていた。ドゥーニーズは今はもうこの世にいない。しかし彼女の姿は銀板に閉じ込められ、永遠を得たのだ。

 

ダゲレオタイプに魅入られたステファン。そんな芸術家の狂気を受け止めながらも、父から離れて自分自身の人生を手に入れたいマリー。そんな彼女に惹かれ、やがて共に生きたいと願うジャン。

 

ダゲレオタイプの撮影を通して、曖昧になっていく生と死の境界線。
3人のいびつな関係は、やがてある出来事をきっかけに思いもよらぬ方向へと動き出す――。

CAST

タハール・ラヒム コンスタンス・ルソー オリヴィエ・グルメ マチュー・アマルリック

STAFF

監督・脚本:黒沢清 撮影:アレクシ・カヴィルシーヌ 音楽:グレゴワール・エッツェル

RPC HIGH-RISE LIMITED / THE BRITISH FILM INSTITUTE / CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION 2015