SPECIAL

作曲家・和泉常寛

オメガトライブ、カルロス・トシキ期の多くの作曲を担当する和泉常寛。今作のリリースに際してコメントを寄せて頂きました。

今回のリミックス、前回と比べても更に唄がヴァージョンアップしています。
カルロスの声の中でも最も美しいところやエモーショナルなところが逃さず随所に散りばめられ、特にカウンターライトでは絶品と言ってよいほどの仕上がりになっているのではないでしょうか。

また今回、“海流の中の島々”も収録されましたが、「オメガに関わった作品の中でどれが一番好きですか」と聞かれると、和泉はいつも決まってこの曲を挙げてきました。

新川さんとの合作なのですが、まず彼がメロディーの無いデモテープを先に作ってくれました。そしてそれに和泉がメロディーを後から充てていくという、あまり例のない作品作りの形態をとっています。
それって正しく言い換えると、メロディー以外は全て新川さんの頭の中のものなので、余計な制約のない自由なサウンドづくりがし易かったのではないでしょうか。
今回のリミックスでも、全てのサウンド・楽器のつながり・受け渡しの情感、水彩画のようなコードの流れ、時折生じるトリッキーな裏切りと終息、本当に一瞬一瞬を味わうことのできる精密な仕上がりとなっています。そこには、普段あまり知られることのない存在かもしれませんが、全ての良い音が他の良い音を邪魔せず良い音同士として共存できるよう配置・エディット出来るプロ中のプロ、レコーディングエンジニアの存在も欠かせません。
このプロジェクトにはそういう陰の力持ちがいてくれていること、一言申し添えておきたいと思います。

では皆さん、
懐かしさや新たな発見、30年を越えた『追体験』を
どうぞ思い切り楽しんでください。