日本ミステリー界の至宝、松本清張の生誕100年を記念して'10年3月に2週連続で放送された日本テレビ系スペシャル2作が、いずれも事前スペシャル番組やPRスポット集など充実の特典映像付きで、早くもDVDとなって登場します。
3月16日放送の「霧の旗」は、成功を手にした若きスター弁護士に、冤罪で逮捕された兄の弁護を断られた女が執拗な復讐をする社会派サスペンス。現代劇ドラマ初主演の市川海老蔵が、傲慢なエリート弁護士から、やがてその地位も自尊心もずたずたに裂かれ、破滅していく男を熱演しています。また、男に復讐を誓う女性を演じるのは相武紗季。家業の町工場を手伝っていた純心な女の子が、やがて大人の色香を漂わせる女性へと変身していく姿も見どころです。
一方、3月23日放送の「書道教授」は、平凡な銀行マンがふとしたはずみでホステスとの愛欲におぼれ、やがて破滅への道をたどる悲劇を描いた超一級サスペンス。“サスペンスの帝王”こと船越英一郎が、いつもの“追い詰める”役どころから一転、今作では鬼気迫る形相で“追い詰められる”役を演じています。船越に絡む三者三様の女性を演じる杉本彩、荻野目慶子、賀来千香子の競演(艶)も実にあでやかです。
ミステリー・ブームが続く中、松本清張作品は常に最高峰の作品として数多くドラマ化され、人気を集めてきましたが、今回DVD化された2作もまた、まさにそんな見ごたえのある作品となりました。人間の弱さ、怖さを見据え、心の奥底に分け入り、その本質をえぐり出す! そんな清張ならではのミステリー2編、まさしく醍醐味です。
作家、小説家、(1909-1992)
昭和中期・後期を代表する小説家の一人。「社会派推理小説」の鼻祖である。
1953年に『或る『小倉日記』伝』で芥川賞を受賞、その後、歴史小説・現代小説の短編を中心に執筆。
1958年に『点と線』『眼の壁』を発表し、推理小説に新風を送る。
他の作品に『砂の器』『Dの複合』、自身代表作と言う『ゼロの焦点』など発表。
映画化、テレビドラマ化された作品も多い。