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ウルトラマンネオス、遂に全撮影クランクアップ!
/アシスタントプロデューサー穂山賢一(VAP)
東宝ビルト 2000年12月19日(火)
 


とうとう「ウルトラマンネオス」の特撮が全行程を終えてクランクアップとなった。この日は最終話である第12話、高野組の撮影。最強の敵というコンセプトのもとデザインされた敵キャラが、グリーンバックの前で演じるという合成カット。ステージの上で威圧感を醸し出す敵キャラに、高野監督も最後の演出に余念がない様子だ。

とにかく「ネオス」の特撮現場は七転八倒の連続であった。各監督それぞれのこだわりが日々放出され続け、スタジオにててっぺん(午前0時という意味デスネ)を迎える時もざらであった。

神澤監督は1話のアーナガルゲ、2話のザム星人によるバトルで徹底的なこだわりを見せてくれた。結果、ドラマの幕開けという大任を十二分に果たし、ネオスと怪獣の壮絶な戦いをかっこ良くアピールしてくれた。9話の大恐竜との戦いも、「神澤さん、サスガ…」と再び驚嘆させてくれるので、そちらの方もまだまだ期待していただきたい!

高野監督は4話の2大ヒーローvs2大怪獣を最高のタッグマッチシーンとして実現してくれた。やや狭いビルトの特撮ステージでの苦労には本当に脱帽モノだ。しかしあの迫力はどうだ! 最終エピソード11、12話でも高野監督、我慢しきれずドカンドカン爆発しています。まるでそれだけが生きがいであるかのように!!お楽しみに…。

そして今回初メガホンをとった監督たち、小原“お天気”教祖、キングジョー満留、バンディッツ宮本も気合の塊となってネオスと戦ってくれた。小原氏は7、8話を担当。こんなに怪獣が出てきたウルトラがかつてあっただろうか、という程に怪獣銀座化した7話は圧巻だ。先に触れている九州ロケと合体した、壮大な怪獣絵巻を是非楽しみにしていただきたい。

満留氏は6話でかなりの大冒険を果した。なぜなら、変形型ロボットやら、セブン21vs謎の美女壮絶格闘やら、ウルトラ必殺技復活やら、もうとにかくお腹いっぱいのネタ、ネタ、ネタ。中半戦の要となるエピソードを、これでもかというくらい演出してくれたのでチェックは絶対デスヨ。

そして宮本氏は確固たるウルトラワールドの中で、次々に驚異の禁じ手を提示し、脚本の武上氏と共にこれまた超変化球な話題の一本を仕上げつつある。動かない怪獣(え?)、隊長不在のHEART(えぇ?)、そして戦わないネオスと21(うえぇえ!?)。円谷昌宏Pにして「こりゃあ面白い」と言わせた一編は10話で登場だ。

重鎮監督たちの確かなアピールによる演出もまだまだ磨きがかかって目が離せないが、新人監督3人によるフレッシュなネオスも、新世紀に登場したウルトラシリーズならではの見ごたえになる事間違いなしだ。生みの苦しみと創造の素晴らしさにサンドイッチされながら、真夏の太陽と冷たい木枯らしの季節を駆け抜け、遂に「ネオス」はクランクアップした。乾杯して飲んだビールは、そりゃあもう最高の味でした。さぁ来年早々から(地獄の…)仕上げ作業が待っているが、とりあえずはお疲れ様でした、という事で。

よいお年を!


 

ウルトラマンネオス ロケ日記
/アシスタントプロデューサー穂山賢一(VAP)
男気・宮本組攻撃開始。 2000年10月7日(土)

 


東宝ビルトにてネオス第10話宮本組撮影。
このエピソードは以下の点からして極めて特殊だ。
1)いつもよりHEARTの隊員たちの内面が描かれている。
2)九州ロケのダイナミックな絵とは一転して対照的な密室劇である。
3)怪獣(と呼んでいいべきか?)が動かない!
4)監督は円谷作品を初演出する俊英・宮本拓である。
そういうわけで、何かと話題のあるこのエピソード。マスコミの取材要請も いつもより多く、やや緊張気味に現場へと参入した。

早朝ビルトの2スタに入るとそこにはなんと「平成セブン」のルミ隊員・あだち理絵子クンが いるではないか! 今回のゲストはあだちクンなのだ。でも何の役だ?
おぉ、大人びたスーツで決めちゃって…「セブン」の時とは全然違うイメージ。 宮本監督から細かい演出を受け、撮影スタート。長い台詞だ。
しかもカメラ目線…?なーるほどそういう役だったのか。これは観てのお楽しみ。

「今回の僕のエピソードは男気の話。あだちクンがささやかながら花を添えて くれましたよ。」とは宮本監督の弁。なるほどあだちクンの撮影が終わったらギャラリーがさーっといなくなった。でも取材陣、再び戻ってきて宮本組の取材 継続。この日はハートビーター(HEARTの車)がセットに入りこみ、 なんだか沈黙に満ちた撮影。登場するのはミナト隊長・嶋田久作氏のみ!?
さぁ、いったいどんなシーンを撮っているのか?やはりこれも観るまでは秘密に しておきたいシーンなので、あしからず。

とにかく、沈黙の中に激しい熱気が漂っている宮本組。
伝統のウルトラマンにパッションを奏でられるか? 宮本組、いよいよ戦いの幕がきって落とされたわけだ。
富士を背中にプライベート・ライアン 2000年10月11日(水)
 


御殿場・太郎坊にて宮本組ロケ。連日この富士の麓の広い大地にて撮影が続いていた。
私は円谷昌弘Pと共に後のりで現場にイン。なにやらHEARTの面々の演技の顔が厳しい のが気になる。「男気の作品」と宮本監督は言っていた。なるほどこういう事か。
今回はとにかくシリアスなのだ。HEARTの隊員たちは劇中余裕の欠片もなく、 ある作戦に没頭する。その真っ只中のシーンの撮影なのだ。

さて、午後2時を回り、なんだか段取りが異様に細かいシーンのスタンバイが始まった。
走り込むHEARTの隊員たち。倒れる木々。さらに後ろでナパームが連続爆発…。
それらをワンシーンワンカット、手持ちカメラで激しく撮影する!
一つでもタイミングを逃すとNGになってしまう。
何度もテストを繰り返し、現場は再び緊張の糸が張り巡らされたようだ。
いよいよ本番。宮本監督の気合の入った掛け声が辺りに響く。
「ヨーイ、ハイッ!!」カメラが回った。一発目のナパーム炸裂と同時に倒れる木々。
HEARTの隊員たちが崖から転がる。さらに2発目ナパーム!
まるでドキュメンタリー取材班のようにカメラが彼らに接近!!
なおも爆発する3発目のナパーム!!「カット!!」爆発の影響で空から小石がバラバラ と降ってくる。現場は騒然の戦場と化したようだ。
モニターチェックを覗き見る。うわぁ…こりゃあ物凄い迫力だぜ…。
スタッフの一人が言った。「プライベートライアンだ…。」
リアルな映像がさらに本作品のシリアスムードを盛り上げたわけだ。

この日は雲が多くて日中は富士山の姿が拝めない。昨日のロケでは霧が出てきて 2m先も見えない程の悪天候だったらしい。しかしそんな撮り残し分も順調に消化 し、陽も暮れてきてナイトシーンの準備に入る。今日の夕食は炊き出しのカレーと お餅入り雑炊スープ。冷えてきた体に熱いカレーがしみる。
太陽が沈む瞬間、富士のシルエットがうっすらと確認する事が出来た。
どうやら今日いっぱいは山の天気もおとなしくしてくれていそうだ。
あたりは真っ暗闇となった。スーツアクター・チームがセブン21のスタンバイ に入っている。セブン21は今回いったいどういう活躍をするのか。動かない怪獣という 情報があるだけに、ヒーローの活躍も、今回は少し変化がありそうだ。

夜間の部、開始。それにしても寒い。
思えばここは標高1400メートルの高地であった。日中はさらに麓の自衛隊演習場から大砲をぶっぱなす爆音が、はるか下界からこだましていた。
スタッフは皆防寒着を身に纏い、やはりシリアスなシーンの撮影をこなしていく。
昨日は照明機材のライトに無数の蛾が集まってきて光りを遮断してしまっていたという。
何故か今日は蛾の襲来は驚くほど格段に少ない。何かの前兆か?
昨日で全ての力を使い果たしてしまったのか?
あるいは、宮本組の静かな熱気が、全てをシャットアウトしているのだろうか。
セブン21とカグラ隊員の絡みのシーン。絶体絶命のピンチに陥っている二人。
やっぱりシーンの詳細は報告できない!どれもが意外な展開を見せる宮本ネオス。
ほとんど極秘みたいで申し訳ない。なにしろ期待していただきたい!

チーム・ネオスは現在宮本組と同時に11、12話のクライマックス・エピソード も進行している。こちらは高野組だ。終幕へ向かって一気に最後のスパート がかかった。とにかく後半戦はシリアスに熱いエピソードが連続している。
年内クランクアップに向けて、皆頑張っております。では、次回の報告をお楽しみに!


 

ウルトラマンネオス九州ロケ顛末記
/アシスタントプロデューサー穂山賢一(VAP)
元気爆発!お子様トリオ 2000年9月21日(木)
 


ネオスシリーズの第7話〜9話は九州ロケである。

東京から船で出港したのが9月13日。前半戦はその船上にて第7話のゲストである福井裕佳梨クンを交えながら撮影に入り、宮崎入りした後ロケを敢行。広大な現場でのロケを繰り広げながら、ようやく熊本県にたどり着いたのが9月20日頃であった。

この日からの後半戦は、熊本県大牟田にある三井グリーンランド内“ウルトラマンランド”が拠点となり、再び怒涛の如く撮影が行われる。舞台はウルトラマンランド裏にある山林。第9話で登場する恐竜型怪獣キングダイナスと遭遇する子供たち3人のシーンの撮影だ。

おませな小学生3人組を演じるのは山本隆平くん(タクミ役)、高見大悟くん(ショウタ役)、そして鶴岡瑞希ちゃん(アヤカ役)。彼らが起こす“ある事件”がきっかけで、最終的に大怪獣と接触してしまう事になるという、お子様大冒険物語がこの第9話なのだ。

それにしてもお子様3人組は元気いっぱい。撮影の時でもオフの時でもとにかくはしゃぎまわって疲れを知る事がない。それこそバックでナパームが爆発しようが助監督さんに怒鳴られようがお構いなし。 それぐらい気合いが入っているという事なのか、それともたんにテンションが高いだけなのか…。

撮影後の大浴場でも5秒と同じ湯船に入っていないはしゃぎよう。
次は水風呂だ! サウナだ! 露天にいこーぜ!!
恐るべしお子ちゃまパワー。
しかしこのパワーが第9話の源のようなもの。 複雑なベストキャスティングであった…。

天気とオハラ教祖の戦い 2000年9月22日(金)
 


昨日に引き続き裏山ロケ。

ロケ地に広がる荒れ地にはスタッフが手作業でこしらえたキングダイナスの無数の足跡が!! なんでもCGで出来ちゃう世の中だけど、リアリティーには変えられない。たとえ大変でも、現場で出来るだけの事をやる方が映像作りではタダシイのだ。

さて、そんなロケ地にまたまたあの元気爆発お子様トリオがやってきた。今日も彼らの活躍シーンの連続だ。恐竜に心底傾倒しているタクミ、ポケットゲームばかりやっているショウタ、そして二人の姉貴分であるアヤカ。走り回って転がって、神澤監督の厳しい演出を受けながらも必死で頑張る3人。

撮影は順調に進んでいった…と思っていたのが運のつき、何か空の雲行きが怪しい様子。ここ連日天気予報の降水確率をなぎ倒し、とにかく好天幸運に恵まれてきたチーム・ネオスだったが、いよいよここらで運を使い果たしたのか…ぽつぽつと雨が降ってきた。

こんな時は救世主を呼ぶに限る!
そう、我がチームには台風をも吹き飛ばす伝説の晴れ男がいるのである。そのヒトこそ、今回監督デビューを飾る事になる小原監督だ。

今日は神澤組の撮影だから小原監督はホテルで待機していたのだが…。「小原ちゃん! 降ってきたからすぐ現場来てよ!」とスタッフが電話。「えー、俺今洗濯中なんだよー」「何言ってんだ! 現場と洗濯どっちが大事なんだ!?」….。何だかわからないヤリトリなのだが現場では必死なヤリトリである。

なぜなら実際小原監督が現れるとホントに雲がひいていくのだ。円谷昌弘Pにおいては本気で小原監督を使って商売をしようと考えているし、他のスタッフたちもなんだか信仰宗教オハラ教の熱心な信者と化している様子。そういうわけで今日の撮影は不安定な天気とオハラ教祖の戦いの連続。

教祖が祈る。太陽が顔を出す。すると再び曇天の攻撃。教祖がまた喝を入れる。するとまたまた何故か太陽が! そのすきにカメラを回す撮影チーム! 笑う昌弘P! どうだ!と教祖! するとまたまた雨!! 祈る教祖!! 祈る信者たち!! ….おぉ、なんという神がかり的な現場。

イタチごっこの撮影はややおして明日へ継続。
教祖は一言「俺今日なにしてたんだろ…」と言った。

食う!飲む!そして燃える!! 2000年9月23日(土)
 


本日は朝からタクミの部屋の室内撮影。

ウルトラマンランドの近くにある展示ホームにてのロケなので移動も手軽。準備も素早く、午前8時からのシューティングが予定通り始まった。

同時に今日はウルトラマンランドにて「ネオス&セブン21ショー」が開催される。
初めてのネオスイベントという事もあり、出演するカグラ隊員役の高槻クンと、ナナ隊員役の瑠川クンはやや緊張気味。
進行としては、はじめにネオスのダイジェスト上映があり、続いて高槻クンと瑠川クンの二人が隊員服で登場。作品への意気込みを語り、そのままショーに突入するというもの。

さぁいよいよ本番。午前中とはいえ結構な客入りで、既に会場は満員だ。
登場した二人はその大きな会場の多くの観客の迫力に圧倒され、ホントに緊張気味。とは言え会場の子供たちへと元気に手を振り、新ヒーロー誕生の気合いを熱くアピールした。ネオスとセブン21が大活躍するアトラクションも派手な仕掛けにたくさんの怪獣の出現、奇抜なオリジナルストーリーがニクイと感じさせる、大変面白いものであった。

午後の撮影は子供たちの学校のシーンを消化し、再びいつもの裏山へ。
第7話小原組の追加撮影が行われた。もちろん教祖パワーで空はド晴天。宮坂ひろしさん演じる学者青年が、仲良くなった小怪獣と一緒に戯れるシーンの撮影。宮坂さんはこのシーンでようやく九州ロケがアップ。明日帰京する事となる。

が、スタッフたちは撮り残し分を片づけなければならず、一日延長が決定。予定通りみんなで帰れれば良かったけどこればっかりは仕方ない。頑張って九州編、やりきってくれることでしょう。

この日の夜は円谷一夫社長主催による大宴会。
スタッフ全員、残り僅かの九州ロケを乗り切るためにとにかく食う飲む燃える!! 脚本の武上純希さんも陣中見舞いに駆けつけ、宴会場に設置されたモニターでシドニー五輪を観戦しながら、九州の夜は騒がしくふけていったのでした。

ともかく九州の広大なロケーションによってダイナミックな映像が次々に登場する7話〜9話。
ネオス中盤戦の要となるこの3本、意識して見ればいろいろなシーンで九州の良さも伝わってくるかもです。

乞ご期待!!

©2000 円谷プロ