「茄子 スーツケースの渡り鳥」2007年10月24日発売決定!

「茄子 アンダルシアの夏」の続編が遂に登場! 今度の舞台は「ジャパンカップ」!

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男たちの夢と意地を賭けた戦場、それがサイクルロードレース!

 2003年に前作「茄子 アンダルシアの夏」が世に出て4年、日本ではますますスポーツバイクブームが盛り上がっています。街を歩けばサイクルファッションの若者が闊歩し「趣味はスポーツバイク」という有名人も珍しくなくなりました。ハワイのサイクリングイベント「ホノルルセンチュリーライド」には初心者からベテランまでの日本人が数千人規模で参加するようになりました。
 ですが、本場ヨーロッパのプロロードレース界はさらにもっと「熱い」んです。とりわけ本場イタリアでは「見るスポーツならサッカーが一番、でも自分でやるなら自転車競技がナンバーワン」とまでいわれる人気を誇り続けています。

 この圧倒的人気を背景に、チャンピオンが国民的英雄(カリスマ)となる例がよく見られますし、とくに最近はスポーツの著しい商業化にともなってチャンピオンが経済的にも夢を叶える、大金をつかむ例が増えています。
 一方でこういう華々しい栄光をつかむ者たちの陰にいる、成績を上げられない多数の選手たちの前には容赦ない現実が立ちはだかります。過酷なトレーニングと厳しい節制、組合もなければ身分保証もなく、手に職もなく引退すればうまく就職できても店員か工員になるくらいが精一杯、とりわけ貧しい出身の選手たちにとっては「レースでの成功が貧しさから抜け出すための唯一の切符」という世界があるのです(このあたりは前作「アンダルシアの夏」でも描かれていました)。

 こうした過酷さのただなかへそれでも男たちを駆り立てるもの、それは栄光への貪欲や成功への甘い夢だけではない、ただこの自転車というスポーツが好きでたまらないという純真、そして自分の選んだ勝負の世界で自分という人間のいることを世界に示してやりたいという意地なのです。

 そういう男たちがありったけの夢と意地を賭けてぶつかり合う戦場、それがプロロードレースです。そしてスーツケース一つに夢と意地、生活のすべてを詰め込んでレースからレースへと渡り歩くプロ選手達を表したタイトルが「スーツケースの渡り鳥」なのです。

[TEXT/青山 宏康]

次回へ続く次回へ続く>

©2007黒田硫黄・講談社/「茄子 スーツケースの渡り鳥」製作委員会
前作「茄子 アンダルシアの夏」廉価版DVD同時発売