




1941(昭和16)年、ハワイ・オアフ島真珠湾への攻撃で開戦した第二次世界大戦。
目もくらむような鋭い炸裂音と、鋼鉄の鞭で力一杯殴られたような衝撃。
魚雷、爆雷などとは異なるもうひとつの潜水艦の敵、それは「水圧」だ。降り注ぐ爆雷の攻撃により電力モーターやメインタンクに損害を与えられた場合、艦は一気に沈降する。イー77潜水艦の場合、安全潜行深度は100メートル。この時点で艦には400トンを超える水圧がかかる計算になる。安全深度を超えて進行が続けば想像を超える水圧がかかり、「ミシミシ」と鉄でできた艦全体をも締め付け館内の気圧を上昇させ配水管や電球、計器などを容赦なく破壊させることになる。その恐怖は真綿で首を締め付ける如く乗員を苦しめる。潜水艦にとって潜行可能深度は、各軍で最高の機密とされた。

海上と海中での戦い。まったく見えない相手を探し出すために使用されるのが、「ソナー(聴音機)」と呼ばれる音波探知機だ。近代海戦において、潜水艦の登場により音だけを頼りに敵を見つけ出す技術は格段の進歩を遂げることとなった。ソナーは「アクティブソナー」と「パッシブソナー」の2つのタイプに分けられ、アクティブソナーの原理はやまびこと同じで、自分が音を出して狙う対象物に音が反射、その音が再び聞こえるまでの時間を距離に置き換えて目標までの距離を測る。駆逐艦パーシバルのスチュワート艦長は、アクティブソナーで音(ピンガー)を執拗に打ち続けイー77潜の潜行位置を追い求める。一方、パッシブソナーは相手が発する音を直接受信することで相手の形状、発射された魚雷との距離などを測る聴音装置である。潜水艦の場合はアクティブソナーを使用すると自ら位置を相手に教えてしまうことにもなるので、パッシブソナーを重用する場合がほとんどであった。