『ベルリン』──1973年に発表されたルー・リードの3枚目のアルバムのタイトルです。60年代後半にアンディ・ウォーホルに認められ脚光を浴びたヴェルヴェット・アンダーグラウンドを'70年に脱退し、ソロとなったルー・リードは、前年に彼のファンでもあったデヴィッド・ボウイ&ミック・ロンソンがプロデュースしたアルバム『トランスフォーマー』を発表。その中の1曲「ワイルドサイドを歩け」が大ヒットを記録し、この時期ルー・リードはまさにソロ・アーティストとしてのキャリアのピークを迎えようとしていました。
『ベルリン』は、東西に分断されたベルリンの夜を舞台に、バイセクシャル、ドラッグ、暴力に彩られた背徳の愛をつづった、小説的な内容をもった野心的なアルバム。一部批評家の賞賛を得ながらも商業的には失敗し、ルー・リード自身、その後このアルバムに収録された曲をステージで演奏することはありませんでした。しかし、時代を経るにつれ、作品への評価は高まり、現在ではこのアルバムは彼の最高傑作として語り継がれるようになっています。
'06年、真冬のニューヨークにて、33年の年月を経て、その伝説が再現されました!! 5日間にわたりルー・リードは『ベルリン』の全曲ライブ・パフォーマンスを敢行したのです。倒錯的な悲恋を歌った歌の圧倒的な説得力、詩人でありロッカーであるルー・リードの会場を圧倒する存在感、そして『ベルリン』独特の世界を再現したステージセットやショートフィルム。すべてが圧巻のライブが繰り広げられました。
映画『ルー・リード/ベルリン』は、この甦った伝説のライブの模様をカメラでとらえた究極のロック・ドキュメントです。監督は画家としてのみならず『潜水服は蝶の夢を見る』でカンヌ国際映画祭、ゴールデングローブ賞の最優秀監督賞を受賞したジュリアン・シュナーベル。彼は自らステージセットも担当しています。また、ステージを彩るショートフィルムは、シュナーベル監督の娘ローラが手がけ、『潜水服は蝶の夢を見る』で好演したエマニュエル・セニエが『ベルリン』の核となる女性、キャロラインを演じています。
美しいほどに悲しい、背徳の愛の物語──圧倒的映像+音で綴った感動のロック・ライブ・ドキュメンタリー・ムービー、いよいよDVDで登場です。