第2回「序文・後編」(2005.05.24)
文/上江洲誠

 ――さて、お色気エンタティメントの完成を前にした小生は、自分が子供であったことを痛感したわけでございますが……。
 じゃあ、大人ってなんだよ! という話でございます。
 それは、ブラウン管に映る艶姿に一喜一憂するのも勿論ですが、それだけではなく、その向こうにある人柄、境遇、書いた人の性癖、そこから枝分かれする僕だけのifストーリー……まで、想像の翼を広げて楽しむことが出来ることこそが、大人なのではないでしょうか?(なに? それはただの「深読み」のことじゃないのかって? それでもいい、逞しく育って欲しい)
 10代と20代では要求される妄想力――ひいては煩悩力の、質は違うのです。皆さんも質の高い興奮が出来る大人になれるよう、精進を怠らないでください。……ということを、グラビア誌ぐらいでは露ほども興奮しなくなってしまっている自分の枯れっぷりを嘆きながら思うのです。
 そんな悩み多き我らでしたが、やはり年の功の元永監督。大人ならではのねっとりワークで、我らライター陣を引っ張ってくれました。
 カメラが、尻の位置から始まる第1話をお楽しみに! そこにある、張り付いた僧衣のシワ一本一本に彼女らの人生が刻まれているのです。
 ……って、何の話をしているんでしょうね……。
 淫らな話が続きましたが、それだけに頼った作品でないことを、声高らかにお伝えしておかねばなりません。大人ですから。
 実はこの作品、懐かしの「主人公が誰からも蹴飛ばされる」内容になっております。主人公が全方向からモテモテの作品群が、長年席巻しておりましたが、久しぶりのパターンなのではないでしょうか?
 シナリオの方も、ホームコメディを書いているつもりが、いつの間にかぶっとびギャグになっていました。整合性……? なにそれ?
 酒をかっ食らいながら、ワハハと笑っていただければ本望であります(未成年の飲酒は固く禁じられています)。
 主人公・里中逸剛(さとなかいっこう)は、鈴木千尋クンの熱演もあって、とても良いぶっ飛ばされっぷりです。先頃のアニメ『砂ぼうず』で出芽した千尋クンの壊れたお芝居にも、ますます磨きが掛かっており、頼もしいです。
 蹴られ、殴られ、愛され……逸剛の体当たりな生き方に、胸のすく思いです。
 同時に千尋クンはハンサムな少年役を得意とする声優さんです。
 一変して真面目になった時の逸剛の渋さたるや鳥肌物です。毎週、ああとてもナイスなキャスティングだなあとウットリするのです。
 シナリオを書き、絵を作り、声を入れ……そうこうしているうちに、ニコニコと笑えるテレビまんがに立ち帰ろうという共通意識が、監督との間に出来ていたようです。
 複雑に絡み合う謎と伏線は皆無ですが……。
 笑い! 涙! ノリ! をスローガンに暴れてみました。
 肩のこらない、楽しいお色気エンタティメントの完成であります!
 オンエアは7月……。え? まだ先じゃん! それまで小生の宣伝活動は続くのであります……。【序文・完――以下次回】

<プロフィール>
フリーランスアニメ脚本家。若い衆だが会話内容は40代。歌舞伎町で職務質問される毎日。代表作は「ゆめりあ」。